令和2年8月6日役員の役割と決め方

このカテゴリーでは、住民自治組織(自治協議会、町内会、自治会等)の運営のうち、役員の役割と決め方について紹介していく。

東広島市 重見(篠原)裕次郎


役員の役割と決め方「監事」

R020806役員の役割と決め方「監事」

R020806役員の役割と決め方「監事」

「監事」

法律によると、法人の内部にあっては、理事の事務の執行を監督する機関となる(民法59条)。法人には1人または数人の監事を置くことができるが、理事のように必須の機関ではなく、定款・寄付行為または総会の決議によって置くことができる(同法58条)。民法は監事の職務を次のように規定した。すなわち、(1)法人財産の監査、(2)理事の業務執行の監査、(3)財産の状況または業務執行につき不整の廉(かど)あることを発見したときは、これを総会または主務官庁に報告すること、(4)前記の報告をなすため必要あるときは総会を招集すること(民法59条)。なお、会社では監査役という。

 

住民自治協議会にかかる一般的な規約によると、「監事は、会の会計事務及び業務執行の監査の事務を担当する。」とあり、総会において監査報告を行う。

 

具体的には次のようなことを行う。

・監査の実施…年度末を経て、会計が作成した一年間分の会計書類や、事務局が作成した事業報告書等をチェックし、疑問点や不備を指摘して、必要に応じて修正を依頼する。全ての書類が問題なく整う、もしくは今後の改善を確約できれば、監査報告書を作成する。

R020806監査結果報告書

・総会への出席…総会に出席し、監査報告書を基に監査報告を行う。改善点などがあれば、監査意見として報告に添える。

 

以上のような役割があるが、役割の性質上、他の役員と兼務することはできない。

また、組織によっては、「不正の事実を発見したときは、その旨を報告するために臨時総会の開催を請求することができる。」とされていることもあり、思いのほか重要な役割となる。一年に一回だけ帳票を見てもらうだけ、といった安易な依頼の形にならないよう注意いただきたい。

とは言え、他の役員と比較すると、日常の業務はほとんどなく、まずは組織に慣れてもらう意味で監事からやってもらうという方法もありえるので、人材不足の時など、柔軟に考えて欲しい。

 


R020806役員の役割と決め方「監事」

東広島市 重見(篠原)裕次郎